やりっぱなしを解決する方法:立ち止まる勇気(忙しい人向け)

やりっぱなしの解決策は、新しい行動ではなく 「立ち止まる勇気」から始まります。
1. 「やりっぱなし」に潰される日々
やっても、やっても、片付かない。
SNSの返信は溜まる一方。先生からのメールも放置。英語の参考書だけが山積み。
「時間が足りない」
多くの人がそう結論づけます。
でも本当にそうでしょうか?
真面目な人ほど、頑張ろうとして「やりっぱなし」を山積みにしています。そして、それが重荷になって、さらに動けなくなる。そんな悪循環に陥っていませんか?
大前提として、ほぼ全てのことは「やりっぱなし」になります。
これは正常なことです。
問題は、その現実を受け入れられずに苦しんでしまうこと。学校教育では「最後までやり抜く」ことを教わりましたが、現実の大人の生活では「優先順位をつけて選択する」スキルの方が重要なのです。
特に介護・育児・仕事を抱える真面目な人ほど、完璧を目指してやりっぱなしを山積みにしがちです。そんな状況でお悩みの方は「真面目な人のための介護・育児・仕事の両立ガイド」も参考にしてください。
2. 私の失敗談:実験地獄にハマった研究者
私は大学の研究者です。
毎日実験をしています。でも、ある時期、実験の罠にハマったのです。
例えば、実験として:
- ・ 準備(2時間)
- ・ 実験(4時間)
- ・ 後始末(1時間)
があったとします。例えば10時から始めたとしても、終わるのは17時です。そして、実験が終わると、大きな達成感があります。7時間もかかっていますから。そして、「今日も頑張った!」と満足してしまう。
ですが、ここで大きな落とし穴があります。
最も重要な「データ解析」と「結果考察」の時間が無いのです。
気がつくと、未解析データの山が積み上がっていました。
不安になって、さらに実験を重ねる。でも結果を確認しないから、同じミスを繰り返したり、不必要な実験を行なっていました。
まるで暗闇の中を目と耳を閉じて全力疾走している状態でした。
そんなある日、疲れ果てて喫茶店でコーヒーを飲みました。
ボーッと窓の外を眺めていた時、ふと気づいたんです。
「あ、全部やりっぱなしにしてる」
3. なぜ「やりっぱなし」は呪いになるのか
やりっぱなしには大きな可能性が詰まっています。
既に行動は完了している。あとは振り返るだけで学びが得られるはず。
でも現実は違います。
時間が経つと:
- ・ ノートは部屋の奥に埋もれる
- ・ 詳細を忘れてしまう
- ・ 「もう手遅れ」という気持ちになる
そして心理的な重荷だけが残る。
やりっぱなしは「未完了感」となって、常に心と頭を圧迫し続けます。
さらに厄介なのは、やりっぱなしは意識しないとどんどん蓄積することです。現代人は抱えすぎているんです。やりたいことが多すぎる。
だからこそ、意識的に対処する必要があります。
4. まずは止まることから始めよう
やりっぱなしに悩んでいて、週に1回、15分だけ「何もしない時間」を取れないのは、動きすぎの可能性が高いです。
強迫観念から、毎日実験を必死にやっていた私と似たような状態です。
身体的にも精神的にも疲弊しているはず。
ここで新しい行動を始めても、それもまた「やりっぱなし」になる可能性が高いです。
PDCAサイクルの本や時短家電の導入では、根本的な解決にならないのです。
だから提案したいのは「止まること」。
「何もしない」という行動です。
矛盾しているようですが、これは大きな決断です。なぜなら:
- ・ 動いている方が気が楽
- ・ 止まって考えるのは辛い
- ・ でも現状を変えるには、いつもと違うことが必要
週に1回、15分だけ「何もしない時間」を作ってみてください。
もちろん、理想は2時間とかです。まとまった時間でしっかりと止まると、心も頭も落ち着きます。しかし、忙しすぎる現代人に2時間のまとまった時間はツチノコ並に希少です。
最初は焦ります。「意味ないんじゃないか」と思うかもしれません。
でも続けていると、不思議と心と身体が落ち着いてきます。
「あれ、なんであんなに焦っていたんだろう?」
そんな瞬間が訪れます。
5. 「立ち止まる」の具体的な方法
目的は2つ:
- 1. 心と頭を整理する
- 2. これ以上やりっぱなしを増やさない
お勧めの方法:
週1回、お気に入りの喫茶店に行く。窓際の席がおすすめです。外の景色があることで、自然とぼんやりできるからです。
自販機でコーヒーを1本買って、好きな海辺、河川敷、公園などでも良いです。
スマホ、パソコン、本は持参しない。
ただボーッと外を眺める。
それだけです。
時短家電や自己啓発本を試す前に、まずこれをやってみてください。焦っている状態では、どんな良いツールも効果を発揮しません。
準備運動なしに激しい運動をすると怪我をするように、心の準備も必要なんです。
何度か繰り返すと、肩の力が抜けていくのを感じるはずです。
全てはそれから始まります。
6. 立ち止まる勇気が人生を変える
「やりっぱなし」で悩んでいる時、私たちは「もっと効率的に」「もっと早く」と考えがちです。
でも本当に必要なのは、立ち止まる勇気かもしれません。
止まることで見えてくるもの:
- 本当に大切なこと
- 手放していいこと
- 自分が焦っていた理由
週に1度、たった15分。
何もしない時間を作ってみてください。
その小さな勇気が、やりっぱなしの山を片付ける第一歩になります。
そして次回は、実際にやりっぱなしを整理し、改善していく具体的な方法をお伝えします。
まずは止まる。全てはそこから始まります。