頑張りすぎて疲れた真面目な人へ|無料でできる心の回復方法

1. 真面目に頑張っているあなたは素晴らしい
爆速、最短、実働○時間で利益○○万円…世間には派手な言葉があふれています。SNSでそういった言葉を見るたび、残業したり、早めに出社したり、昼休みや睡眠時間を削って頑張っている自分は一体何なのかと、胸が締め付けられる思いはしませんか?
私自身、睡眠時間を削ったり、ぶっ続けで何時間も研究で実験をしたりしています。しかし、そんなに頑張っていても、評価されることはほとんどありません。しかも、実際は褒められるよりも、けなされたり、怒られたり、否定される方が何倍も多いです。
ですが、だからこそ言いたいです。嫌なことであっても、真面目に頑張っているあなたはとても素晴らしい存在ですし、とても有能ですし、カッコいいです。
真面目に頑張ることは、最高レベルの能力です。なぜなら、今、欠点があったとしても、方向性を間違えずに真面目に頑張れば、さらに向上し、成長する可能性が非常に高いからです。変化の激しい現代において、真面目に継続できる力こそが、最も希少で求められる能力と言えるでしょう。
今、この記事を読んでいるあなたは、とても疲れていて、傷を負っていると思います。本記事は何かを買ったり、加入したりすることを推奨する記事ではありません。なぜなら、お金を使わなくても、あなたは既に素晴らしいからです。
2. 真面目な人が力尽きてしまう理由
真面目に頑張ってきたあなたは、計り知れない可能性を秘めています。なぜなら、既に頑張った実績と、頑張れる能力、そして向上心があるからです。この三つは簡単に得られることではありません。私は大学教官として学生の教育に関わっていますが、向上心を育てることは非常に難しいと日々感じています。既に真面目に頑張っている、もしくは、頑張ってきたが力尽きてしまったあなたは、本当に大きな強みを持っているのです。
しかし、そんな大きな可能性を秘めた真面目な人には、実はある「落とし穴」が存在します。
それは、真面目であるがゆえに、知らず知らずのうちに自分自身の心に無理をさせてしまう傾向があることです。どんなに理不尽な仕事でも、話でも、つい自分自身を犠牲にしてしまうのです。
例えば、あなたは家族や恋人に内緒で長期休暇を取ることができますか?
おそらく、難しいと感じる方が多いのではないでしょうか。それだけの仕事が山積しており、休むことに罪悪感を抱いてしまうかもしれませんね。
よくある心理パターン:
- 自分が休むと効率が悪く、結局自分が苦労する
- 大きなチャンスを失ってしまう
- 継続が途絶えてしまう
そんな風に理由を作って、自分自身を納得させていませんでしたか?
何気ない電話、頼まれる書類の輸送。それらが積み重なって、自分自身を後回しにする習慣ができてしまいます。家族や恋人、子供のために時間とお金を使うのに、自分自身のために時間を使わない。真面目な人ほど、他人のために尽くして、自分のことは最後に回してしまうのです。
その結果、心身ともに疲弊してしまい、本来持っている力を発揮できなくなってしまうのです。
3. 頑張れる新しい目標を見つけることの重要性
疲弊してしまった心を回復させるためには、何が必要なのでしょうか?
真面目な人が疲れ切ってしまうのは、メンタルや体力、余裕がすり減ってなくなってきているからです。これは頑張っている対象が上手くいっていても、そうでなくても起こりうることです。
これが起きる理由の一つは、できることを繰り返していて、新しいことに挑戦していないからです。人には好奇心という本能があります。その好奇心を仕事にしているのが私たち研究者です。研究者の最も強い原動力の一つは、好奇心だからです。
しかし、そんな私たちでも、好奇心を失ってしまうことがあります。それは、あまりにも忙しくなりすぎる時です。事務作業や学生指導に追われ、締切りが目の前にある状態では、好奇心が動くことはありません。毎日同じことの繰り返しで、心が干からびてしまうのです。
好奇心を満たすためにはどうしたら良いでしょうか?
結論を言うと、新しい場所に行くことです。そして、これは「ご褒美」ではなく「訓練」として捉えることが重要です。真面目な人にとって、単なるご褒美は罪悪感を生みがちです。しかし、「自分を成長させる訓練」と考えれば、堂々と取り組むことができます。
4. 無料でできる「好奇心を取り戻す」具体例
疲れた心に新しい刺激を与え、好奇心を取り戻すための具体的な方法をご紹介します。これらはすべて、お金をかけずにできることです。
いつも通る停留所や駅で降りてみる
電車やバスなどの公共交通機関は便利ですが、どうしても家と目的地の往復になりがちです。そこで、ちょっと「無駄」なことをしてみましょう。途中の駅で降りてみるのです。もちろん、そこからは歩きになるかもしれません。でも、いつもとは違う風景を見ることができます。新しいお店、知らなかった公園、意外な近道…小さな発見があるかもしれません。
私も実際に試してみたことがありますが、普段は車窓から眺めているだけの場所に実際に降り立つと、全く違う印象を受けました。新鮮な驚きがありましたよ。
馴染みのない言語に挑戦してみる
外国語学習と聞くと、英語や中国語を思い浮かべる方が多いでしょう。もちろんそれらも良いのですが、お勧めは仕事でメインに使わない言語です。一度も習ったことがない言語に触れてみてください。エスペラント語、フィンランド語、アラビア語…何でも構いません。
新しい言語を学ぶと、新しい世界が見えてきます。ここで大事なのは、マスターする必要はないということです。簡単な挨拶ができるぐらいで十分。単語のスペルを覚える必要もありません。音を楽しむだけで良いのです。YouTubeには様々な言語の動画があります。字幕なしで聞いてみて、その言語のリズムや響きを感じてみてください。言葉の向こうに、その国の文化や人々の暮らしが見えてくるかもしれません。
好きなことの専門書を図書館で読んでみる
あなたがコーヒーが好きなら、コーヒーの専門書を読んでみましょう。料理が好きなら、プロの料理人が書いた本を。ここで重要なのは、図書館を活用することです。専門書は1冊1500円~2000円と高価ですが、図書館なら無料で借りられます。図書館には、普段なら手に取らないような専門書がたくさんあります。
私が図書館で偶然手に取った楽器製作の本は、音楽への理解を深めてくれました。専門的な内容でしたが、職人の技術や情熱に触れることで、新しい視点を得られました。
美術館、博物館で静寂の時間を過ごす
美術館の価値は、映画や読書と同じです。静かに芸術作品と向き合っていると、感性が癒やされます。美術館は空調も完備されており、とても贅沢な空間です。興味のない展示でも構いません。むしろ、今までの自分では行かなかった展示に足を運んでみてください。
私は現代アートにはあまり興味がありませんでしたが、偶然訪れた展示で心を動かされる作品に出会いました。新しい自分の一面を発見できたのです。
地元の有名スポットを再発見する
私は学生時代、京都にいました。世界遺産、国宝、重要文化財に囲まれた環境でした。しかし、身近すぎて、かえって足を向けませんでした。引っ越し後に「もっと京都を楽しんでおけば良かった」と後悔しました。
あなたの地元にも、有名な場所があるはずです。有名になるには理由があります。観光客の目線で、改めて自分の住む場所を見直してみませんか?
5. 真面目な人がもう一度頑張れる目標の見つけ方
子供の頃、好奇心は大切にされていました。私たち自身も好奇心を存分に楽しんでいました。初めて行く公園、触る遊具、蝉の声。夏休みは新鮮で、驚きと発見に満ちていました。
いっぱい頑張っているのに疲れてしまうのは、心が疲れてしまっているからです。その心を癒やす方法の一つが、好奇心です。
確かに、仕事の効率化、睡眠改善、人間関係の見直し、運動習慣…これらも大切な方法です。しかし、それらは既に試していることかもしれません。今回ご紹介したのは、お金もかからず、一見すると仕事や疲労回復に直接関係ないような、ささやかなことばかりです。
しかし、好奇心はあなたの人生を劇的に変える可能性を秘めています。
真面目に頑張ってきたあなただからこそ、新しい好奇心に出会ったとき、それを大切に育てることができるはずです。そして、その好奇心が、あなたの次の目標になるかもしれません。疲れた心を癒し、新しいエネルギーを与えてくれる、そんな目標に出会えることを心から願っています。
頑張りすぎて疲れてしまったあなたへ。まずは小さな好奇心から始めてみませんか?