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やりっぱなしの次にやること:小さな改善で人生が変わる方法

小さな改善を始める女性が種を植えている
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毎日が忙しく、何となく同じことの繰り返し。気がつけば同じミスを何度もしていて、なんだかモヤモヤした気持ちが続いている。

そんな経験、ありませんか?

本を読んで解決策を探したいけれど、そんな時間もない。育児や介護、仕事に追われる毎日では、新しいことを学ぶ余裕なんてありません。

実は、私もまったく同じ状況でした。だからこそ、まずは負担を減らすこと、そして立ち止まることから始めました。

でも、心が落ち着いた後、「じゃあ、次は何をすればいいの?」という疑問が湧いてきました。

答えは、小さな改善から始めることでした。

1. ある日の買い物で気づいたこと

数年前まで、仕事帰りの買い物が私の大きなストレスでした。

ビールやノンアルコールビールを数本、野菜にお米。気がつくとレジ袋はパンパンです。仕事用のカバンにも「軽いものなら」と食材を詰め込んで、両手がふさがった状態で帰宅していました。

「いつか袋が破れて、中身が道路にぶちまけられるんじゃないか」

そんな不安を抱えながら歩く帰り道。案の定、急いで買い物をした日に袋の中で卵が割れていました。

その瞬間、はっきりと分かりました。この買い物スタイルは私には合わない、と。

問題を整理してみると:

  • ・ 重い荷物を運ぶのが physically きつい
  • ・ たくさんの選択肢から選ぶのが mentally きつい
  • ・ 疲れているときの判断力低下でストレス買いが増える

そこで、シンプルな解決策を試してみました:

飲み物はAmazonでまとめ買い(ロング缶2本で1kg増は馬鹿になりません)。基本的に平日の買い物は禁止。どうしても必要なときは水曜か木曜のみ、しかも「卵だけ」のように事前に決めてから行く。

結果は予想以上でした。

物理的な負担が減っただけでなく、時間もお金も節約できました。何より、疲れたときの衝動買いが激減したのです。

たったこれだけの変化ですが、毎日が確実に楽になりました。

身の回りを見渡せば、改善できるポイントは意外とたくさんあります。忙しさにかまけて「今は仕方ない」「これが私のストレス発散法だから」と諦めてしまいがちですが、少しの工夫で状況は変わります。

研究者として大きな成果を目指すのも大切ですが、日常の小さな不便を解決することも同じくらい重要だと気づきました。

今回は、そんな「小さな改善」の方法論をまとめてみました。あくまで私の経験に基づくものですが、何かのヒントになれば幸いです。

2. 大人になると改善の機会が減る理由

学生時代を思い出してください。ホームルームや進路指導で、先生が生活習慣の改善点を指摘してくれていました。遅刻、偏食、身だしなみなど、第三者の目で客観的にアドバイスをもらえていたのです。

しかし、社会人になるとそういう機会はほとんどありません。

しかも、長年続けてきた習慣はそれなりに機能しているため、「今のままでも何とかなっている」と感じてしまいます。

私の買い物習慣も、学生時代や独身時代は問題ありませんでした。ところが、仕事の責任が増え、生活が忙しくなると、以前のやり方では限界が見えてきました。

ここで重要なのは、自分で自分を観察することです。

新しいガジェットを買ったり、資格を取ったりすることではありません。必要なのは、行動パターンと思考の癖を変えることです。

これは実は最も難易度の高い挑戦です。だからこそ、世の中には自己啓発セミナーがあふれているのでしょう。

日常のルーティンを楽しむのは素晴らしいことです。でも、人生には介護や育児、転職や引っ越しなど、大きな変化が必ず訪れます。また、日本では自然災害も避けて通れません。

だからこそ、普段から小さな変化に慣れておくことが大切なのです。

3. とりあえず始める「改善」

改善の第一歩は、「とにかく始めてみること」です。

完璧な計画を立てる必要はありません。私の買い物の例のように、日常の小さな困りごとから手をつけてみてください。

小さな成功体験を経験することで、以下の好循環が生まれます:

問題解決 → 日常が楽になる → 達成感を得る → 自信がつく → 次の課題に挑戦したくなる

自信とは、小さな達成感の積み重ねです。

買い物という些細なことかもしれませんが、ここで培った「問題を見つけて解決する力」は、仕事や人間関係など、より重要な場面でも活用できます。

4. 絶対に避けるべき2つの落とし穴

改善を始めるときに、多くの人が陥りがちな失敗パターンがあります。

落とし穴1:すべてを一度に改善しようとする

改善できるポイントは無限にあります。食事、運動、仕事効率、人間関係、趣味の時間…すべてに手をつけたくなりますが、これは確実に挫折への道です。

改善が目的化してしまい、本来の「充実した日常を送る」という目標を見失ってしまいます。

落とし穴2:他人が関わることから始める

LINEの返信速度を上げる、パートナーとの関係を改善する、職場の人間関係を良くする…これらは確かに重要ですが、最初の挑戦には向きません。

他人が関わると変数が一気に増え、コントロールできない要素が多すぎるからです。

まずは自分だけで完結する小さなことから始めて、成功パターンを身につけましょう。

5. 今すぐ試せる「改善」アイデア集

朝の時間に余裕がほしい

よくある状況: 毎朝、気分に合わせて服を選んでからアイロンをかけている

改善アイデア: 前日の夜に2〜3着を候補として選び、アイロンまで済ませておく。朝はその中から気分で選ぶだけ。


栄養バランスが気になるけど余裕がない

よくある状況: 毎日完璧な食事を作らなければというプレッシャー

改善アイデア: 週2回(土日など)だけ野菜多めの食事を意識する。ニンジン、カボチャ、ナスを使ったサラダなど、シンプルなもので十分。


買い物が負担に感じる

改善アイデア:

  • 重いもの(飲料、米、調味料)はネット注文
  • 肉類は安い日にまとめ買いして冷凍保存
  • 平日に買うのは野菜と卵、疲れたときのお惣菜のみ


洗濯の生乾き臭問題

よくある状況: 洗濯機の乾燥機能を使うと生乾き臭がして、結局もう一度洗うはめに

改善アイデア:

  • 夏:毎日外干し(YouTubeを聞きながら作業すると楽しい)
  • 冬:下着と靴下のみ洗濯、シャツとズボンは空干しで2回に1回洗濯


100円ショップでつい買いすぎてしまう

改善アイデア: 入店前に買うものをリストアップ。「数日考えても必要だと思うもの」だけ購入する。


朝食選びが面倒

改善アイデア: 曜日で固定化する

  • ・ 月曜:バナナ
  • ・ 火曜:オートミール
  • ・ 水曜:フランスパン
  • ・ 木曜:バナナ
  • ・ 金曜:フランスパン
  • ・ 土曜:ご飯
  • ・ 日曜:グラノーラ


帰宅後のテレビ時間を有効活用したい

考え方の転換: 昼間頑張った自分へのご褒美時間として積極的に評価する。ストレッチや皿洗いをしながら見れば、さらに効率的。


最初は避けた方がよいもの

  • ・ LINEやSNSの返信ルール
  • ・ 恋人や家族との関係改善
  • ・ 収入アップや副業
  • ・ 美容・ダイエット

これらは他人が関わったり、結果が出るまで時間がかかったりするため、慣れない序盤には向きません。

6. 理論より行動、「試しに少し改善」

今回紹介した方法は、ビジネスでよく使われる「PDCAサイクル」(Plan-Do-Check-Action)という考え方がベースになっています。

でも、正直なところ、理論の名前なんてどうでもいいんです。

本当に大切なのは:

  1. ・ 小さく始めること
  2. ・ 完璧を求めすぎないこと
  3. ・ 自分でコントロールできることから手をつけること
  4. ・ 改善そのものを目的にしないこと

机上の理論を覚えるより、まずひとつ実際に試してみてください。どんなに小さな変化でも、毎日が少しだけ楽になる感覚を味わえるはずです。

改善に挑戦していくと、新たな課題も見えてきます。特に「どうやって継続するか」は多くの人が悩むポイントです。この継続のコツについては、また別の機会に詳しくお話ししたいと思います。

ABOUT ME
Doctor YouMe
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京都大学 理系博士  某 旧帝国大学 教官
Doctor YouMe。 京都大学 理系博士。  某 旧帝国大学 教官。 ウイルス研究で博士号を京都大学で取得。 現在は日本国内の某 旧帝国大学で教官をしています。 普段は学生の教育と研究室運営、研究を介護、育児、家事の傍ら行なっています。
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