博士の介護

職場での「楽しい」人間関係

鳥たちは新天地に向かっている
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辞職の大半は人間関係?
 職場での、人間関係は難しいです。体感ですが、大学の世界では仕事を辞める人の半分以上は人間関係で辞職をしている気がします。なので、仕事場での人間関係の構築と維持は、仕事そのもののスキルよりも大事と見なされている気がします。今回は私の大学での体験を元にして職場での人間関係について考えてみたいと思います。大学での人間関係はとても特殊です。学生と社会人が混在しているからです。学生かつ社会人という方もいるぐらいです。なので、学校と社会の境界で見られることは皆さんの参考になると思いました(厳密に言うと、大学は学校ではないのだが、だいたい一緒とみなす)。

職場での人間関係に関するさ三原則
 職場での人間関係を考える際に留意すべき事は大きく三つあります。一つ目は「そもそも仕事であり、教育機関ではない」、二つ目は「人間関係よりも、仕事が大事である」、三つ目は「合わなければ辞めればいい」ということです。もちろん、この三つ以外にも大きな要因はあります。自分自身や相手との相性もあります。パワハラ、セクハラなど、人間関係それ以前の問題もあります。ですが、今回は、大学で思い込んでいる人が多い要因を挙げました。これは、大学特有かもしれませんが、案外、他でも多いのではありませんか?

「そもそも仕事であり、教育機関ではない」
 一つ目は「そもそも仕事であり、教育機関ではない」ということです。仕事は自分自身の力と時間を対価として金銭を受け取る場所です。多くの職場では、「朝に今日から無給です」と宣言されたら、午後には人がいなくなっていると思います。生活費を稼ぐためにも仕事をする必要があります。ボランティアではないのです。一方の教育機関とは、学校や大学など、専門的な教育をしてくれる場所です。これは、金銭を払って、教育を受ける場所です。なので、仕事場で自分自身のスキルアップのためだけに仕事をすると嫌われます。なぜなら、職場は仕事をする場所であり、教育を受ける場所ではないからです。もちろん、新人研修や引き継ぎなど、多少の教育は確かにあります。ですが、それは例外です。それらの社内教育があるのは、現場に投入するためです。スキルアップのためではありません。

「人間関係よりも、仕事が大事である」
 二つ目は「人間関係よりも、仕事が大事である」ということです。これは逆説的ですが、ある程度、ちゃんとした職場であれば、最低限の人間関係があれば、それ以降は人間関係よりも仕事の善し悪しが判断されます。ここで言う、「ちゃんとした職場ではない」という場合は次の項目を読んでください。話を戻しますが、人間関係で大切な一つの法則は「気にしすぎるとかえってこんがらがる」ということです。ありませんか? 職場でのメールやスラック、ラインで相手の文面や絵文字、顔文字、スタンプ、返信時間で色々と考えてしまうのを。それらのほとんどは普通の職場であれば考えすぎである事が多いです。

「合わなければ辞めればいい」
 三つ目は「合わなければ辞めればいい」ということです。介護があって、私が稼がないといけない。借金を返済するためにも仕事をやめられない。子供が悲しむから、私が頑張らないと。せっかく就職活動を頑張ったんだから、辞めたくない。こういう考えは多いと思います。ものすごくよく分かります。私の場合は大きくは介護と借金(奨学金)です。ですが、これも逆説的なのですが「いざとなったら、辞めたらいい。貧乏になるかもしれないけど、命まで取られるわけじゃない」と思うと、気持ちが楽になります。私自身と周りの方を見ていても、真面目な人ほど、自分自身を追い込んで、にっちもさっちもならなくなっている方が多い気がします。そして、一つ目、二つ目にも出てきましたが、そもそも仕事そのものよりも人間関係を重視している職場は少し変です。人が多い都会と、地方では違うのかもしれませんが、職場とは仕事をする場所です。人間関係を最優先して、仕事に支障が出ている職場は普通の職場ではありません。異常な職場です。なので、その場合は、教え諭して相手を変えるなんて言語道断(絶対にやってはいけません)ですし、あなた自身も変わる必要はありません。そんなことよりも、さっさと職場を変えましょう。

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Doctor YouMe
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京都大学 理系博士/基礎ウイルス研究者
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