介護のための博士の家事代行体験談
家事代行とヘルパーさんへの先入観
介護をしながら仕事をしていると、「家事代行とか訪問看護とかにやってもらったら? 」ということを言われることがあります。考え方は分かるし、気持ちも大体分かります。今日の記事では、家事代行や訪問看護など、外部からのサービスによって、介護などが行えるかどうかを私の実体験も踏まえて考えていきたいと思います。ここでは、入院などの施設に入ることは想定しません。あくまでも自宅にいながら外部のサービスを使うことを考えます。そして、それらのサービスの有無、行政からの補助は住んでいる場所や所属している企業によって大きく違います。ご注意ください。
訪問看護は行政支援が無いと無理
家事代行や訪問看護のサービスは詳しく知らない人からしたら、同じようなサービスに思うかもしれませんが、実際は全く違います。訪問看護では、看護師さんたちが来てくれるので、本格的な医療行為をしてもらえます。なので、当然、かかるお金は違います。場所にもよると思いますし、行う医療行為によるとも思いますが、行政の支援無しでの訪問介護の利用は難しいと思います。というのも、私が受け取る請求書には、行政の支援で補填される前の金額が書いてあるのですが、40万円とかでびっくりします。これが行政の支援によってかなり安くなります。なので、そのまま40万円が請求されることはありません。
かかる費用
一方の家事代行は基本的に家事や簡単な作業をしてもらえます。なので、利用料金は訪問介護よりも比較的に安いです。それでも、1時間1700円以上の利用料金がかかります。例えば、1日5時間利用したとして、1週間に3日頼んだとします。そうなると1週間で15時間、1ヶ月で60時間です。なので、利用料金は102000円です。裕福な方々の感覚は分かりませんが、10万円も毎月払っていたら、日々の暮らしはとても苦しいと思います。ちなみに、週に5日、6時間頼んだら、20万円ぐらいです。年間は240万円。車買えます。
家事代行には限界がある
行政からの支援の規模にもよりますが、少なくとも、訪問で来てもらっている以上、基本的にサービスは昼間のみです。夜間ではありません。もちろん、夜間も対応してくれるでしょうが、利用料金が高くなりますし、受け付けていない場合が多いと思います。なので、夜の対応は自分たちでやる必要があります。感覚的には夕方の7時~朝の7時までは自分たちでやらないといけないのです。そして、忘れて欲しくないのは、介護があっても私たちは仕事をしないといけません。想像できますでしょうか?
昼間、仕事に行きます。そして、帰って来たら、ヘルパーさんや家事代行と入れ替わりになります。そして、その生活が何日、何ヶ月、何年、何十年も続くのです。治る病気や怪我なら良いです。しかし、治らない場合、ずっとその生活が続きます。そして忘れないでほしいのですが、昼間もよく電話がかかってきます。体調が悪化したり、緊急の要件の場合が多いです。なぜなら、訪問看護師さんやヘルパーさんは、基本的に介助はしてくれますが、選択肢がある場合の決定をできません。なので、それは私たちが行う必要があります。
最大の難関はコミュニケーションと信頼関係!!!
ここまで読んでいて、「フンフンフン、なるほど、なるほど」と読まれていた方は最も大事なことを見落としています。それはコミュニケーションと信頼関係です。忘れて欲しくないのは家事代行の方々は同じ人間です。なので、お金を払っているから何をしても良いというわけでもないですし、必ず話の相性が合う、というわけでもありません。なので、お互いに得意な事、やって欲しいこと、話の相性やフィーリング。それらがマッチしないと、とんでもなく気苦労をすることになります。忘れないでほしいのは、家事や介護、仕事でヘロヘロになっている時に、家事代行を選ぶのは本当に疲れます。
お互いに余裕が無い
これも事業所によって違うと思いますが、家事代行やヘルパーさん、訪問看護でも基本的に余裕は無いと思います。人手が足りていない、というのをとても感じます。それは新型コロナやインフルなどに感染してしまうと、休まないといけなくなったり、そもそも待遇が良くないから長期で働いてもらえない、というのを良く聞きます。なので、私たち利用者は日々、介護に、家事や仕事、など大変な日々が続いていて余裕が無いですが、家事代行やヘルパーさん、訪問看護の方々も余裕がありません。よって、小さい事でも過敏になってしまうこともあるかと思います。だから、話の相性やフィーリングについて言ったのはそのためです。
注意:地域差がある!
今回は簡単に家事代行やヘルパーさん、訪問介護などの場合を見てきました。もちろん、地域によってはいろいろな介助の仕方があります。ですが、忘れないでほしいのは、それらのサービスは全国一律ではありません。そして、サービスを利用するのも精神的に摩耗することを忘れないでください。