博士が勧める生成AIへの不安解消と安全な使い方

生成AIは怖くない、でも何から始める?
いざ生成AIを使おうとすると具体的には何をしたらいいか分からない。個人情報の漏洩も心配。そんなあなたに、大学で研究している博士が安全で具体的な方法を示します。答えはずばり、コミュニケーションの補助です。
日本は生成AI利用の後進国
総務省の令和7年情報通信白書によると、個人での日本の生成AIの利用率は25%でした。一方、米国は68.8%、中国は81.2%、ドイツは59.2%の利用率となっています。個人でも既に倍以上の利用率の差が出ているのです。
そして、もう一つの参考データとして、私が2025年8月15日からX(旧Twitter)で行ったアンケートがあります。まだ集計中ですが、2000票で約75%の人が生成AIを使いたくないと回答しました。Xは日本で使われている代表的なSNSです。利用者はパソコンやスマホ、ネットを使う高い能力がある方々です。そのような方々ですら、多くの人が生成AIの利用について消極的なのです。

生成AIを使わない場合のデメリット
国家や組織、大きな集団では話は複雑です。規制や著作権などの問題は個人でどうこうできることではありません。しかし、個人として生成AIを使うこと、慣れ親しむことには大きな意味があります。なぜなら、他の国の人々は既に使っているからです。
博士がお勧めする生成AIの使用方針
しかし、生成AIを使え、使え、と言われても、一体何に使えば良いのか、分からないかと思います。ここで私は大きな使用方針を提案します。
それは、コミュニケーションでの確認用としての生成AIの利用です。
生成AIはコミュニケーションの点において大きな力を発揮すると考えられます。それを使うか使わないかで差が出る可能性は高いでしょう。
では、なぜ、コミュニケーションでの利用なのでしょうか?
日本人が困っていること、それはコミュニケーション
現在、日本人の社会での大きな問題としてコミュニケーションが挙げられます。職場や学校、大学での人間関係で悩んでいる人は大勢います。その人間関係の重要ツールであるコミュニケーションで、生成AIは大きな力を発揮する可能性があります。
ここで私の実体験を書きたいと思います。

私は普段、大学で研究を行っています。ある日、外部の研究者からサンプル情報の提供に関する問い合わせが来ました。そのサンプル情報は、私が独自に持っている情報ではなく、調べれば発見できる情報でした。その研究者は調べるのが面倒だったのか、私に失礼なメールの文面で問い合わせてきました。
それを読んで激怒した私は、非常に不愉快で怒っている旨の返答を書きました。しかし、それを生成AIに渡してみると、私の感情的に書いた文章がそっくりそのまま削除されて、簡潔で分かりやすいメールになっていました。そして、プロとして、仕事として必要で十分な返答をするべき、という提案でした。私はそこではっとして、その文章を参考にして、メールを書き、返答を行いました。そうすると、相手から軽い謝罪と承諾のメールが来ました。
「壁打ち」としての生成AIの使い方
生成AIには多くの使い方があります。画像を作ったり、音楽を作ったり、動画を作ったりすることもできます。しかし、それらは最初の生成AIの使い方としては、使用頻度が限られますし、難しいかもしれません。
そこでお勧めなのが、コミュニケーションの評価、確認、改善として生成AIを活用することです。2ちゃんのひろゆきさんも「壁打ち」とYouTubeでのライブ配信で表現されていましたが(ひろゆきさんは、プログラミングでの活用で使用していました)、生成AIをコミュニケーションでの確認用の道具として利用するのです。これなら、仕事での情報漏洩の危険性も、特許権の侵害もありません。

ただし、住所や個人の詳細情報などの入力は気を付けた方が良いでしょう。それでも個人で十分に活用できる範囲だと思います。
生成AIによる個人情報漏洩と特許権侵害は大丈夫?
生成AIの利用を躊躇してしまう大きな理由の一つは、個人情報の漏洩や特許権の侵害です。確かに、無料版の生成AIで個人情報を詳細に入力したり、生成AIが作った文章や画像を注意せずにSNSなどに掲載すると危険な可能性があります。ですが、それらを心配すると、最初のステップである生成AIへの挑戦が躊躇されてしまうと思います。
だからこそ、個人間でのコミュニケーションでの確認用としての生成AIの利用をお勧めするのです。
LINEとメールでの生成AIの使い方
では、超具体的に使い方を示します。
生成AIの画面に、状況を簡単に説明する一文を添えて、入力してみるのです。
それが分かりにくい方は下の練習問題を試してみてください。
練習問題:
次の仲間内での飲み会の案内文を作りました。感想と問題点を挙げ、修正してください。
いつも大変お世話になっております。 田中研究室の佐藤です。
今度のゴールデンウィークに研究室の飲み会を企画しているのですが、参加はいかがでしょうか? 予算は6000円、場所は三条木屋町を予定しています。 もし参加していただけそうなら、返事を4月12日までにください。 お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
佐藤
この文章を打ち込むと、改善案が出てくると思います。
おめでとうございます!これで、あなたは立派な生成AIユーザーです。
また、簡単な画像作成の例として、「夏場、川の畔でスイカを食べている猫の画像を作ってください」と入力してみてください。
生成AIでのコミュニケーションの改善
確かに生成AIで治療薬開発での革新的なアイデアの創出や、多様な音楽活動、コンテンツの作成、事務作業、翻訳作業の劇的な効率化などが期待されます。しかし、生成AIへの躊躇がある段階でそれは非常に難しいです。だからこそ、日常のコミュニケーションでの確認用として生成AIを活用してみるのです。これで、コミュニケーションも楽になって、生成AIに慣れ親しむことができれば、一挙両得ではありませんか?
まとめ:生成AIはただの道具、でも使う勇気が未来を変える
生成AIはただの道具です。人類にとって、火や車、SNSやネットと同じような道具だと考えています。上手に使えばとても有用ですが、使い方を間違えると問題が生じる可能性もあります。

しかし、既にあなたは火や車、SNSもネットも上手に使われているではありませんか?
多くの日本人は非常に真面目で、上手にそれらを使っています。そんな真面目な方々こそ、生成AIを使ってみるべきです。
そして、生成AIは自分自身で使ってみないと分からないです。確かに、時間が経てば、スクールや勉強会が開催されるでしょうが、それだと生成AIの導入が大きく遅れ、不利益を被ってしまう恐れがあります。
それに、日進月歩で進んでいる生成AIの分野は、自分で使ってみないと分からない、というのが大きな特徴です。
もしかしたら、生成AIの導入によってあなたの人生が大きく変わるかもしれません。友達や恋人、職場で悩んでいたLINE返信について相談できて、何時間も悩まないで済むようになるかもしれません。プレゼンの資料作成が短時間で済むようになるかもしれません。コミュニケーションでの確認用がきっかけとなって、あなたの将来が大きく開けるかもしれません。
そうでなくても、最新技術を導入して使ってみた、という事実は挑戦した勇気ある行動として、あなたの心の中の勲章になると思います。
「なるほど、AIって便利なんやな」と思った方へ。
実は、AI以外でも日常をちょっと変える工夫があります。
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