インフル、RS、マイコ、コロナ・・・冬の四天王の弱点
冬の感染症と言えば、インフルエンザウイルス、RSウイルス、そしてマイコプラズマ肺炎です。最近ではそこに新型コロナが入って冬の呼吸器感染症の四天王と私は呼んでいます。
ですが、そんな名前をいきなり言われても
「インフルは知っとる! RS・・・??ウイルス? マイコ・・・プラズマ? 」
となるかと思います。
なので、今回はどんな方にでもざっくりと分かるまとめを用意しました。
結論から言うと
とりあえず、
手洗い、マスク、エタノール消毒です。
これは極論であり、この方法で全てを防げるわけではありません。しかし、これらの方法を正しく使うことによって、ウイルスや細菌をかなり減らしてくれると期待できます。
いちいち、名前を呼ぶと分かりにくいので、まとめて冬の四天王(インフル、RS、マイコ、コロナ)と呼びます。
膜が弱点!
この冬の四天王の共通の弱点は膜が弱いことです。そして、冬の四天王のどれも強固な壁である細胞壁を持っていません(細菌であるマイコプラズマ肺炎もです)。なので、手洗いやエタノール消毒が効果があります。手洗いは流水での洗浄によって付着しているウイルスを押し流します。そして十分な濃度の界面活性剤やエタノールは冬の四天王の弱点である膜を破壊します。リン脂質の細胞膜はもの凄く弱いので、ちょっとした工夫で十分に破壊できます。
感染経路がほぼ同じ!
次の共通点は感染経路です。冬の四天王は基本的に、口や鼻から感染します。ノロのように吐瀉物や糞便で感染が広がったり、HIVのように血液感染でもありません。だから、口や鼻を覆うマスクが効果的なのです。確かに、冬の四天王の最も短い部分は100 nm付近であり、マスクの隙間を貫通します。ですが、冬の四天王は基本的に唾液やつばの水滴の中にいて、ウイルスや細菌の粒子が単体で飛んでいる可能性は低いです。そして、それらの唾液やつばをマスクは防いでくれるのです。
体調が悪いときは無理をしない
これは冬の四天王に限った話ではありません。基本的に私たちは身体に侵入してきたウイルスや細菌を免疫によって駆逐します。確かに、胃液や体毛、皮膚などによっても感染を防いでいますが免疫は本当に強力です。そして、免疫は私たちの身体の状態に大きく影響されます。それは免疫反応が「生きた反応」だからです。体毛や皮膚のように、体調にそこまで影響されないものとは違います。なので、気温が低くてしんどい時、二日酔いでダルいとき、関節が痛き時など、身体が何かしらのサインを出しているときは無理をしないのが一番です。それでも、無理をしないといけないのが現代人です。そんな時はせめて、その無理の後は休むようにしてください。無理を連続すると、本当に大変なことになってしまいます。
わざと感染することによる免疫の獲得について
ワクチンは一部のウイルスでは絶大な効果を発揮します。ですが、全てのウイルスでワクチンが効くわけではありませんし、そもそもワクチンが無い場合もあります。そこで、一部の方は、「ウイルスに感染してしまえば良いのでは? 」と考えるかもしれません。理論は私も理解できますが、おすすめしません。なぜなら、ウイルス感染は常に命の危険があるからです。免疫は身体が取れる最後の防衛手段です。ここを突破されたら、身体はもはや、抵抗するすべを持ちません。その免疫系ですが、常に同じ挙動を取るわけでもありません。なぜなら、免疫系は生きた反応だからです。化学反応ではありません。免疫を動かすのは、生きた細胞です。地味に思えるかもしれませんが、そもそも感染しないのが最も安全な対策です。
皆さんの何気なくやっている習慣も、なぜなのか? を理解すればより一層効率的になると思われます。もっと詳しく知りたい方は下のリンクからそれぞれの説明をご覧ください(コロナは、kindleでマニアな自著があります。)。